第479号 酒蔵
今野浮儚
六月某日、蛍を見に河内長野市の酒蔵「天野酒」へ行ってきました。実は蛍は口実に過ぎず、旨い日本酒を呑み、鮎を食すのが目的でしたが、ふわりふわりと闇を縫う蛍を目で追うと酔いの回りも三倍速(当方、下戸の酒好き)。近所の小学生が「あっこに蛍おんで~」「こっちも見てや~」と話し掛けてくるも、時既に遅し。目が据わり、句も捻り出せず。鮎は結局持ち帰り。
近年、観光地に於いて蛍の移入による在来種の保護等、蛍の世界も何やら騒がしい様ですが、ここは隠された緑の桃源郷。酔っ払いはふらふらと欧陽琲琲「雨の御堂筋」をフフフンと口ずさみながら帰途につきました。
写真は夜の高野街道、酒造通りです。「天野酒」は創醸享保三年。芭蕉の没後になりますが、多くの俳人がここで蛍を愛で、酔っ払いながら高野山へ向かったのかもしれません。
天野酒のサイトはこちら。
http://www.amanosake.com/
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