後記 ● 西原天気
シリーズ「八田木枯の一句」の執筆者のおひとり、田中惣一郎さんは、今回をもって、いったん執筆陣からはずれます。アイドルなら卒業、アーティストなら充電期間。しかしながら、かつ、当然ながら、そのいずれでもありません。
お疲れさまでした。また、未来のどこかの日曜日にご一緒できることを楽しみにしています。
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数日前のことです。小池正博句集『転校生は蟻まみれ』のレビューを書き、週俳の次号への掲載準備完了。そこに小津夜景さんからメール。添付ファイルを開けると、あらま、『転校生は蟻まみれ』レビュー。
おお! 奇遇!
そう素直に喜べばいいのですが、ちょっと待て、夜景さんと私の、同じ句集を取り上げたふたつの記事が、同じ号に並ぶのか?
拝読するに、小津夜景さんの原稿は、例によって、精緻・ハイブラウ。私の記事はといえば、いつにも増して、いいかげん・稚拙。ネット用語で言えば「処刑」状態。
自分の原稿を取り下げようか、どうしよう? と迷いましたが、読者には一興かもしれぬ、同じ句集を扱っても、こうも違う、それが一目瞭然。勇気を振り絞って、拙稿もボツにはせず、掲載ということにしました。
なお、『転校生は蟻まみれ』については、すでに川柳作家の山田ゆみ葉さんのレビューを第468号に掲載させていただいています。
≫http://weekly-haiku.blogspot.jp/2016/04/blog-post_10.html
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私は、加田由美句集『桃太郎』、浜田はるみ句集『韻(ひび)く』のレビューも掲載。かねてより何か書きたいと考えていた句集です。「ひとり3本立て」興行と相成りました。
10句作品は嵯峨根鈴子さん。句集『ラストシーン』をこの2016年4月に上梓されたばかりです。
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鴇田智哉インタビューは、作句上のアイデアや思考過程を、具体的に語っていただきました。無季句を少なからず含む第2句集『凧と円柱』のバックグランドも垣間見られ、たいへん興味深いインタビューとなりました。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
■嵯峨根鈴子 さがね・すずこ
同人誌「らん」同人。句集『コンと鳴く』『ファウルボール』『ラストシーン』。神戸市在住。
■鴇田智哉 ときた・ともや
1969年木更津生まれ。第16回(2001年)俳句研究賞受賞、第29回(2005年)俳人協会新人賞受 賞。句集に『こゑふたつ』『凧と円柱』。
1973年生まれ。無所属。
■田中惣一郎 たなか・そういちろう
1991年岐阜県生れ。「里」同人。
■畠 働猫 はた・どうみょう
1975年生まれ。北海道札幌市在住。自由律俳句集団「鉄塊」を中心とした活動を経て、現在「自由律句のひろば」在籍。
■今野浮儚 こんの・うきはか
1980年生。大阪府在住。
■西原天気 さいばら・てんき 1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「俳句的日常」 twitter
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