後記 ● 福田若之
オルガンまるごとプロデュース号をお届けします。
天気さんからオルガンのメンバーに向けて『週刊俳句』でまるごとプロデュース号を企画しないかという打診があったのが今年5月の下旬。メンバーで話し合ったところ、『オルガン』6号が出たタイミングで企画するのがよいだろうということになり、このたび、実現に漕ぎつけたという次第です。
話自体は5月の下旬に持ち上がっていたものの、6号の発行が済むまではほとんど進展せず、企画について練り始めたのは7月の暮れ。ゲストの方々には、「あなたとオルガン」というテーマで、必ずしも雑誌のことに関わらず、自由にご執筆いただきました。ゲストの皆さま、ご多忙のところ、急な依頼に応じていただき、たいへんありがとうございました。僕としては、とりわけ、この機会に正面切って批判を書いてくれた松本てふこさんの言葉に対して、今後、しっかり向き合っていきたいと考えています。
ところで、目次がいつもの『週刊俳句』とちがう雰囲気で、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。せっかくのまるごとプロデュース号ということで、今号にかぎって、『オルガン』の紙面をもとにアレンジしてみました。テーマ詠が各自7句であるのも、『オルガン』のスタイルです。もちろん、紙媒体でのデザインをそのまま流用するだけだとインターネットブラウザではきれいに映らないので、適宜、いつもの『週刊俳句』のやりかたをそのまま採りいれています。それゆえ、100パーセントというわけにはいきませんが、すこしでも雑誌の雰囲気が伝われば幸いです。
ちなみに、前号の後記で信治さんが話題にしている島田牙城さんの論にも関連する話なのですが、今号で表紙の季節の表示を"late summer"にしたのは、「残暑見舞い」の英訳が"late-summer greeting"であるのに合わせてのこと。実際、この時期に葉が"fall"するのは、有名なところでは桐くらいでしょう。これまで、『オルガン』でのメンバーの作品の掲載順は号が変わるごとに入れ替えてきましたが、今回は"2016 late summer"ということもあり、"2016 summer"の記載がある6号と同じ掲載順です。きれいなアイウエオ順。
最後に宣伝をひとつ。『週刊俳句』の今号の企画にあわせて、オルガン公式ブログも、同時更新しています。 こちらもぜひご覧ください。
●
では、また来週の日曜日にお会いしましょう。
生駒大祐 いこま・だいすけ
1987年三重生れ。「天為」同人。「手紙」「クプラス」。
田島健一 たじま・けんいち
1973年東京生れ。「炎環」同人、「豆の木」参加。
鴇田智哉 ときた・ともや
1969年木更津生れ。「魚座」「雲」を経て結社無所属。
句集に『こゑふたつ』(2005年)、『凧と円柱』(2014年)。
福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生れ。「群青」、「クプラス」。
共著に『俳コレ』(2011年)。
宮本佳世乃 みやもと・かよの
1974年東京生れ。「炎環」「豆の木」。
句集に『鳥飛ぶ仕組み』(2012年)。
池田澄子 いけだ・すみこ
句集『たましいの話』『拝復』『思ってます』その他。
小久保佳世子 こくぼ・かよこ
1945年生まれ。「街」同人。句集『アングル』。
寺澤一雄 てらさわ・かずお
1957年生まれ。長野県松本市生まれ、東京都北区在住。俳句同人誌「鏡」所属。句集に『虎刈』(1988年、牧羊社)。
中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
小津夜景 おづ・やけい
1973年生まれ。無所属。ブログ「フラワーズ・カンフー」
青木亮人 あおき・まこと
1974年、北海道生まれ。近代俳句研究者、愛媛大学。評論集『その眼、俳人につき』(邑書林)など。
松本てふこ まつもと・てふこ
1981年生まれ。2000年、作句開始。04年「童子」入会。新童賞、童子賞を受賞。09年、『新撰21』に北大路翼論を、10年『超新撰21』に柴田千晶論を執筆。11年、『俳コレ』に入集(いずれも邑書林)。
西川火尖 にしかわ・かせん
1984年京都市生まれ。「炎環」同人。現在、育児と俳句を楽しむ「子連れ句会」を運営中。
宮﨑莉々香 みやざき・りりか
1996年高知県生まれ。「円錐」「群青」「蝶」同人。