【八田木枯の一句】
子どもには子どもが見えて秋のくれ
太田うさぎ
子どもには子どもが見えて秋のくれ 八田木枯
『夜さり』(2004年)より。
幼い時分、大人たちには何を言っているか分からない弟の言葉が一人理解できるということがあった。今はもはやそのような能力はない。
犬には犬、猫には猫が見えるように、子どもには子どもが見える。子ども同士にしか読み取れない表情がある。夕映えに照らされたお互いの顔も、だがしかし、刻々と翳り、やがて宵闇に溶け込んでしまう。そして我らは大人になってゆくのだ、子どもだったことなんかいつか忘れて。
短い残照のなかでそのことを予見していたのかもしれない、私も、あなたも。
2016-09-18
【八田木枯の一句】子どもには子どもが見えて秋のくれ 太田うさぎ
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