2016/10/5イベント報告
数学俳句極私的覚書
生駒大祐
台風が近づいているらしいと知ったのは六本木へ「数学俳句」を見に行く大江戸線の車内だった。
そのイベントは「MATH POWER」という名前で、32時間かけてそろばんで円周率を計算したり、素数しか出せないトランプゲーム「素数大富豪」を深夜1時から行ったりするらしい数学の祭典とのことだった。それをクレバーというのかクレイジーというのかはよく分からない。まあ少なくとも台風が迫る中それを見に行く自分は後者だろうという自覚はあった。
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そもそもの始まりは仕事を終えて会社の寮に帰り、いつものようにTwitterを眺めていた時で、もし数学俳句というものが俳句の題材に単純に数学を持ち込むものだったらちょっと残念だな……位相数学とかなんとか持ち出して一意的に推敲を決定するとかアプローチしてくれたら面白そうなんだが(ぼくは位相数学わからないけど)
という「おほつかがい(非公式)@soudanus」氏のツイートが目に入った。すげーロックだけ意味がわからんなと思ってタイムラインを遡っていくと、どうやら関悦史さんが「数学俳句」というイベントに出ることを告知したのがきっかけのようだった。
うん、それがわかったところでやっぱり意味がわからん。数学俳句とはなんだ。
それからリンクを辿ってMATH POWERのサイトを見たり俳句と数学を絡めたツイートを見たり書いたりしているうちに「数学俳句とは数学用語を詠み込んだ俳句らしい」という理解と共に「これは見に行くしかないな」という謎めいた使命感が沸いてきた。そもそも僕は俳句も好きだけれど、数学に関してもかなり好きなのだった。僕は基本的に使命感には従うようにしているので、早速その宣言をツイートしチケットを予約してその日は眠った。
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会場はニコファーレという施設で、会場に入ってみるとちょうど加藤文元さんの講演が終わるところだった。後ろの方に座って俳句界隈の人は誰かいないかと辺りを見渡すと、四ッ谷龍さんらしき後ろ姿が目に入った。これ幸いとお疲れさまですーと言って合流させてもらった。数学用語を詠み込んだ俳句を募集しているとのことなので、やはり使命感に従って何句かツイートしたところで、数学俳句のイベントが始まった。
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数学俳句のイベント本体に関しては今号横山明日希さんの記事または以下のリンクを見てもらいたい。
http://togetter.com/li/1033615
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帰途の小田急線の中で僕が考えていたのは、「俳句は数学で記述できるか」という命題だった。近しいことは最近ぼんやりと考えていたが、その問いの輪郭がはっきりとしたのは明らかにその日のイベントがきっかけだった。その晩の僕の感覚としては、「厳密解を出すことはできないが、統計的操作を行えば収束させることはおそらく可能」というようなものだったが、現在まであまり進展はない。誰かと議論したいしながらゆっくり考えたいと思う。
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2016-10-09
数学俳句極私的覚書 生駒大祐
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