〔今週号の表紙〕
第502号 ご利益
藤原暢子
12月3日は秩父夜祭。武甲山の男神さんと秩父神社の女神さんの年に一度の逢瀬。ロマンチックだ。
しかし、武甲山の神様には本妻がいる。4年前、祭の宵宮にぶらぶらしていたら街の裏手の駐車場に出た。その片隅にある小さいお宮には、どっさりのお供え物。大勢の祭男どもが参っていたのである。
「明日の祭の前に本妻さんに謝っておくんだよ。」
本妻、諏訪社だった。寒空の下、祭おじさん達に教えてもらう神様の浮気話。酒と肴つき。以来、いろんな気持ちも込めて、祭の際に、諏訪社に立ち寄るようになった。
学生時代から夜祭には通っているのだが、この諏訪社にはじめて会った年の3日(祭当日)は、不思議とそれまで未知であった祭の場面に潜り込めた気がする。
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