〔今週号の表紙〕
第507号 落日
村田 篠
灰色の雲に隠れていた太陽がようやく西の空に姿を見せたかと思うと、ビルの谷間に沈み始めた。高層マンションに落日の光が当たって、赤く反射している。
天頂の雲の暗さと夕日の明るさ、ビルに反射する赤い光。そのコントラストはいささか神がかっていて、どこか不穏で、まるで、造り込んだ映画の書き割りのようだ。
急いでスマホを構えたけれど、冬の日没は早い。10分もすると、街はすっかり夕闇に覆われてしまった。
風景は一期一会。同じ場所に立っても、同じ落日には二度と出会えない。
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