2018-03-11

10句作品 脈拍 近江文代



脈拍  近江文代

雪の中来て二本の腕の重さ

デベロッパーとやら核家族に餅

執拗に咲いて母親の水仙

そぼ濡れてあたり白梅ばかりなり

体温のからだ出てゆく雛の宿

滅菌のお弁当箱抱卵期

たんぽぽになって足音聞いている

ひざまくら朧あなたの頸動脈

肺に影まとめ買いするチューリップ

藤の昼発光体となる背中

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