2018-03-11

〔今週号の表紙〕第568号 ドア 近恵

〔今週号の表紙〕
 第568号 ドア

近恵



『ドラえもん』を知らない人はおそらくほとんどいないんじゃないかと思う。あの青くて丸っこくて人懐っこいフォルム、そして魅惑の四次元ポケット!あの四次元ポケットさえあれば・・・何度そう思ったことか。そのドラえもんのアニメに毎回といっていいくらい登場するのがかの有名な「タケコプター」と「どこでもドア」。

かなり最近まで私は空を飛ぶ夢を見ている。シチュエーションは様々だが、これは夢だと夢の中でなんとなくわかっている時、、そうだ、飛べるんだったと思い足元を蹴るとふわっと浮いてあたり前のように飛べるのである。けれど現実(だと認識している肉体)では飛べないので、子供の頃は「タケコプター」があれば飛べるのになあと思ったものだ。魔法使いの箒も同じような理由で欲しかった。もっともどちらも架空の物なので、どのみち夢のような話なのだが。

「どこでもドア」も欲しかったなぁ。これさえあれば寝坊しても大丈夫。ドアを開ければ目的地に着く。なんと便利なことでありましょう!時短時短のせちがない昨今、朝ゆっくり起きて支度して、どこでもドアを開けると職場。仕事が終わってどこでもドアを開けると家。満員電車に乗る必要はナシ!もう一回開けるとボトルキープしてある行きつけの飲み屋。ぐでんぐでんになってもドアを開けると家。終電の心配もタクシー代の心配もナシ!実家にだって新幹線に乗らなくても帰りたい放題。旅行だって、国内でも海外でもどこでも行けちゃう「どこでもドア」。夜中に酒蔵に忍び込んで飲み放題!なんてことやってもバレる心配もなく。。。いやいや、子供の頃はそんなことまでは考えてはいませんでしたが。

で、ドアであります。

これは「どこかのドア」。赤いドアを開けると「夢二」のお部屋に、黄色いドアを開けると「競馬場」に。きっと誰かの夢なのかもしれないどこかのドア。夜な夜な誰かが開けるどこかのドア。


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