中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第45回 スティーヴ・ライヒ「Music for 18 Musicians」
天気●前に、朝、仕事を始めるとき、むりやり元気を出すのに、よくベートーヴェン「皇帝」やジミ・ヘンドリックスをよく聴いていたという話をしました。
憲武●音楽の力を借りる話でしたね。
天気●きほん、ルーティンの手作業のときしか音楽はかけなかったのですが、そんなときでも、こリャダメだ、労働できないってのがあって、私の場合、ミニマル・ミュージックでした。
憲武●ほほう。興味深いですね。
天気●仕事に向き不向きがない音楽というのもあるみたいですね。
憲武●はい。句会向き音楽というのもあるんですが。
天気●例えば、どんな?
憲武●ぼくが世話人を務めてる句会で、たまにDJ句会というのをやるんですが、様々なCDをつぎつぎかけながら、一曲の間に一句でも三句でもという句会です。そこで分かったことはクラシックが一番向いているということです。以後クラシッ句会と呼ばれるように。
天気●BGMではなく、曲を席題にするってことですね。同じようなこと、やったことがあります。ところで、スティーヴ・ライヒが労働に向かないのは、なんでなんですかねえ。繰り返しのせい? 繰り返すうちに高まるでもないこの繰り返しは、労働のルーティン作業と、ある意味似ていると思うのですが、近すぎて、気持ちには苦痛なのかも。
憲武●ぼくはサティが好きで、一時期よく聴いてたんですけど、「ヴェクサシオン」、あれ、ダメでしたねー。作業には向いてない。
天気●悪夢のような「繰り返し」ですね。
憲武●作業が元に戻っちゃう。
天気●精神が壊れそうでもある。
憲武●今回のこの曲ですけど、坂本龍一も相当な影響下にあるんだなと感じましたね。
天気●そうかも。
(最終回まで、あと956夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
2018-04-08
中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 第45回 スティーヴ・ライヒ「Music for 18 Musicians」
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