【俳人インタビュー】
今井聖さんへの10の質問
質問:西原天気
Q1 今週、何句作りましたか?
句会が三度ありましたので下書きを含めて15句くらいかなあ。
Q2 俳句に似ているものといえば?
う~ん。こういうご質問でユーモアを入れて気の利いたことを言おうとするとロック歌手のインタビューみたいになるし、箴言めいたことを言うとただの硬直化した爺婆になる。
お洒落なインテリジェンスを出そうとするとみっともないし、第一、そんなインテリジェンスもない。俳句は俳句ですとか、似てるものはないなんて自然体を気取るのも嫌だなあ。得体の知れないものなんてのも阿呆だしなあ。 まあ、それだけナーバスにならざるを得ない、そんな感じでしょうか。
お洒落なインテリジェンスを出そうとするとみっともないし、第一、そんなインテリジェンスもない。俳句は俳句ですとか、似てるものはないなんて自然体を気取るのも嫌だなあ。得体の知れないものなんてのも阿呆だしなあ。 まあ、それだけナーバスにならざるを得ない、そんな感じでしょうか。
Q3 今朝、起きてから2~3時間の行動をできるだけ詳しく(公表できる範囲で)教えてください。
6時に起きて新聞を求人欄まで読破し、近所の公園で散歩または低速ジョギング40分。馴染みの犬と鴉に会ってプレーンビスケットをやって歓心を繋ぎ、駅に出て通勤の人々の真顔を眺めてザマーミロと呟きながら坂を登り、別の公園に入ってまた馴染みの犬と鴉に会い帰って珈琲を飲みました。
Q4 現在お住まいの町は、どんなところですか?
う~ん。殺伐とした街ですね。山をつぶしてつくった計画都市。駅前の分譲地は公平な抽選のはずだったのに蓋を開けたら政府と関係の深い大企業の関係者がかなりの数を占めたと聞きました。まあ、そんな街かなあ。
Q5 どういうわけか、ミドリガメを一匹飼うことになりました。名前を付けてください。
梅吉かなあ。二年前に死んだ愛犬の名前。ミドリガメも飼えば愛してしまうでしょうし。
Q6 主宰をされている「街」の良いところを教えてください。
良いところはいまのところありませんね。僕を含めて目の醒めるような句ができない。句をつくるための集団だからこれからに賭けるしかないですね。
Q7 では、悪いところ(ダメなところ)は?
Q6をそのまま。
Q8 目が覚めました。何十時間も眠ってしまったらしく、おなかがぺこぺこです。何を食べますか。部屋でも外食でもかまいません。できるだけ具体的に詳しく教えてください。
うどんがいいなあ。消化によさそうだから。きつねうどんがいいです。音をさせずに食べます。七味は入れません。
Q9 好きな自然現象について、教えてください。
う~ん。考えたこともなかったですね。少し違うかもしれませんが、人間が餌をやらないのに生きている動物や虫や魚は偉いですね。人間は餌をやらないどころか殺してるのに。
Q10 ここ最近でいちばん笑ったことを教えてください。
先日行った秋田のタクシーの運転手さん。65歳くらい。
「〇〇までお願いします」
「…もう今日は帰ろうと思ってた」
「客がこない?」
「来ないなんてももんじゃないよ。ひどいね」
「でも秋田は新幹線も通ったし、これからいいんじゃないですか」
「あのね、新幹線て言えるのは盛岡までで、そこからはローカル線と同じ。新幹線なんて名前だけ。時間ばっかかかって」
「観光もいいんじゃないですか。はたはた、比内地鶏、きりたんぽ、なまはげ」
「あんたね、秋田は年に一万五千人も人口減ってるんだ。そのうち誰も住まなくなるよ、こんなとこ。今に秋田は鳥取みたいになるよ」
「あのう、僕、鳥取出身なんですけど」
「〇〇までお願いします」
「…もう今日は帰ろうと思ってた」
「客がこない?」
「来ないなんてももんじゃないよ。ひどいね」
「でも秋田は新幹線も通ったし、これからいいんじゃないですか」
「あのね、新幹線て言えるのは盛岡までで、そこからはローカル線と同じ。新幹線なんて名前だけ。時間ばっかかかって」
「観光もいいんじゃないですか。はたはた、比内地鶏、きりたんぽ、なまはげ」
「あんたね、秋田は年に一万五千人も人口減ってるんだ。そのうち誰も住まなくなるよ、こんなとこ。今に秋田は鳥取みたいになるよ」
「あのう、僕、鳥取出身なんですけど」
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夫はと問はれて春の尾根を指す
合宿用蜆一貫届きたる
枕から眼鏡へ春の指の旅
弟の教室に姉花曇
蒸しタオルの顔春昼のどの椅子も
事務方と呼ばれてクロッカス抱いて
夢の父夏野駈け来て我を過ぐ
歌ふ口して出目金の病んでをり
紫陽花や団地一棟もぬけのから
ジルバの手くぐつて流れ星に乗る
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