2018-12-16

〔今週号の表紙〕第608号 凍滝 大江進

〔今週号の表紙〕
第608号 凍滝

大江 進


秋田県と山形県にまたがる鳥海山は標高2236mの火山。西端が日本海に没していることもあり、国内最大級の降水量を誇る。湧水も非常に多い。当然滝の数も多いのだが、その中でもとくに有名な滝が南面中腹にある二ノ滝だ。

落差は25メートルほどであるが、水量が多く豪快。しかし冬は渓流の流れが細くなるので、寒気に負けて落水も徐々に凍り付いてしまう。初めは滝口付近から氷柱が垂れ下がり、それが滝壺まで達するとその氷柱がしだいに太くなっていき、やがて幅10メートルをこえるブルーアイスの太い柱になる。凍滝はほかにいろいろあるものの、二ノ滝のそれが名高いのはやはりまっすぐ切り立った青く輝く氷のためだろう。滝口のすぐ近くに湧水があり、その混じりけのない澄んだ水が凍るからだ。



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