2019-02-10

【空へゆく階段】№4 三橋敏雄さん 田中裕明

【空へゆく階段】№4
三橋敏雄さん

田中裕明
「ゆう」2002年2月号・掲載

昨年の暮れ、三橋敏雄さんが亡くなりました。現代俳句に残した足跡はたいへん大きいものがあります。機会を得て何度かお会いしたときに感じたのは俳句という詩にたいする真摯な態度です。「俳句なんてものはねえ…。」とはすに構えたような言い方もされましたが、そのじつ、俳句に真正面から向かわれたことがよくわかりました。

かもめ来よ天金の書をひらくたび  敏雄

この句を十年前、「水無瀬野」の第一号の冒頭に取上げたことを記憶しています。また平成十一年十一月、東吉野村でお会いしたときに「ゆう」を創刊することを伝えました。気負わぬように励ましてもらったことが強く印象にのこりました。

いまこの巨人を失って、暗い海上の浮標が消えたような思いがします。


≫解題:対中いずみ

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