2019-03-03

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 ミッシェル・ルグラン「The Typewriter」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
ミッシェル・ルグラン「The Typewriter」


天気●すでに旧聞に属しますが、ミッシェル・ルグランが亡くなりました。1月26日。

憲武●そうでしたね。手帳に記してあります。

天気●「シェルブールの雨傘」の主題曲「I Will Wait For You」など数々の映画音楽で知られる大作曲家です。

憲武●2012年の秋にブルーノート東京のライブ観ました。その時はモロ、ジャズだったですけど。

天気●ジャズのアルバムもいいのが多いのですが、ここはあえて、イージーリスニングの名曲/名演を。



天気●タイプライター自体がノスタルジック。この曲から始まるアルバム「ラジオデイズ」というタイトルがノスタルジック。さらにいえば、イージーリスニングというジャンルがもうノスタルジック。

憲武●パーシー・フェイス、ポール・モーリア、マントヴァーニ、フランク・プゥルセル、ビリー・ヴォーンなど、また聴いてみたいと思ってるんです。これらの曲は不思議と若山弦蔵の声に、よく合うんです。

天気●よく出来た曲で、タイプライターの操作音がひつこくなく曲にマッチして、かろやかで都会的。9時に始まったオフィスの11時頃のひかりを感じさせます。

憲武●おっ、11時頃のひかり。上手いこと言いますねえ。ぼくはミシェル・ルグランは映画音楽を思い浮かべますね。「おもいでの夏」。よかったー。泣いちゃう。

天気●品よくキュートに仕上がった小品。パッションも汗の匂いもメッセージもないけれど、こういうのってじつにいいんですよね。ラヴ&ピース! で。


(最終回まで、あと917夜) 
(次回は中嶋憲武の推薦曲)

3 comments:

Unknown さんのコメント...

ルグランといえば・・・
アニエス・ヴェルダ監督の『5時から7時までのクレオ』(1961年)を
是非見ていただきたい。
https://www.institutfrancais.jp/tokyo/agenda/cinema1304111630/
(アニエス・ヴェルダは『シェルブールの雨傘』のジャック・ドミー監督夫人で
いまも現役90歳、わお!)
この映画にピアニスト役で出てくるルグランは、じつにファナティックでおかしくて最高です。
(天才、わお!)
そしてもうひとつこの映画にはとんでもないことが。
新婚当時のゴダール&アンナ・カリーナが、カメオ出演しているのです、しかも白塗りで。(ギャオ!)

Unknown さんのコメント...

失礼いたします。
この『The Typewriter』の動画に関しては、

作曲:ルロイ・アンダーソン
演奏:ミシェル・ルグラン(指揮)/ロンドン・スタジオ・オーケストラ
(もしかしたらルグランはかるく編曲しているかもしれませんが)

であると思います。

この記事ではルグランが作曲したように書かれているように思えたので、
気になって書き込みさせていただきました。

wh さんのコメント...

仮屋さん、ありがとうございます。

私はてっきりルグラン作と思っていました(ルグラン名義のアルバム冒頭なので、よく調べもせず)。

天気