中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
ロジャー・ニコルズ「ラヴ・ソー・ファイン」
憲武●まず、これです。Roger Nichols & small circle of friendsで"LOVE SO FINE"
憲武●ピチカート・ファイブを筆頭とするいわゆる渋谷系の音楽を彷彿させますね。カーペンターズが好きでよく聴いてたりするんですけど、昔から好きな曲があるんですよ。「愛のプレリュード(we've only just begun)」と「雨の日と月曜日は(rainy days and mondays)」そして「愛は夢の中に(I won't last a day without you)」です。
天気●どれもいい曲ですよね。
憲武●はい。それはもう。この3曲、ロジャー・ニコルズのクレジットがあるんです。それでまあ、どんな人なのかなと興味を持った訳です。
天気●ロジャー・ニコルズ、大好きですよ。この「LOVE SO FINE」のイントロは、「Up Up And Away」(邦題「ビートでジャンプ」)を思わせる。
憲武●フィフス・ディメンションっすね。
天気●こちらはジミー・ウェッブ作曲。60年代終わり頃は、ポップス曲も、いいのがたくさんありますね。ついでにいえば、平山三紀「いつか何処かで」(筒美京平)のイントロは、そのまま引用になっています。
憲武●えっ!? それ、知らんかっとってんちんとんしゃん。「コンプリート・ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ」ってアルバム、どれもこれもいいんですね。これが。アップテンポな曲も、スローな曲も。このアルバムでは、ビートルズのカヴァー曲2曲ありますが、"a hard day's night"の一番最後の曲、"I'LL BE BACK"。渋い曲やってますね。
憲武●中盤の転調するところが、なかなか盛り上がります。ビートルズの曲って、つれなくされても愛し続けるせつない男がよく出てくるんですが、この曲もそうしたラインですね。
天気●ビートルズもいい曲がありますね。
憲武●さっきのフィフス・ディメンションもいい曲があります。最後にもう一曲。ライナーノーツで小西康陽も絶賛していた"LOVE SONG,LOVE SONG"。
憲武●ヘビロテのアルバムってなかなか無いんですが、これはそうした一枚です。何回も聴けるアルバムを見つけることは、この上ない幸せなことだと思いますよ。ほんとに。
(最終回まで、あと891夜)
(次回は西原天気の推薦曲)
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