2019-10-27

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜 長谷川きよし「別れのサンバ」

中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
長谷川きよし「別れのサンバ」


天気●長谷川きよし「別れのサンバ」。2012年のステージです。


天気●すごいパフォーマンスです。

憲武●ううむ、圧倒されます。この会場、どうも江古田のbuddyというライブハウスみたいですね。僕も長谷川きよしをここで観ました。2000年頃だったと思いますが。

天気●デビュー曲のこれ、大ヒットしたんですよね。いちおう聞いておきましょうか(→これ)。1969年当時の日本の歌謡曲状況からすれば、ものすごいインパクトだったはずなのですが、中学生だった私には、いまひとつそのすごさがわからなかった。音楽的にまだまだ無知だったというか。

憲武●CD、3、4枚持ってます。小学生の頃、TBSラジオの永六輔の土曜ワイドという番組へ、長谷川きよしがゲストで、よく出てたんですよね。それで存在を知りました。全盲の筈なのに、きよしは景色が見えると、永六輔が話してたんですよ。

天気●全盲のギタリストということで、ホセ・フェリシアーノがすでに有名で、その二番煎じみたいにも思っちゃったのかもしれませんね。洋楽を「上」に見るところがあったし。

憲武●なるほど。僕はホセ・フェリシアーノを知ったのは、ずっとあとで。長谷川きよしスゴイって感じでしたね。僕が好きな曲は、いっぱいありますけど、中でも「かなしい兵隊」という曲です。

天気●フォークソング、カントリーミュージック寄りの曲もあるんですね。私は、「別れのサンバ」しか知らなくて、最近になって偶然、YouTubeで見て、21世紀になっても長谷川きよしがこの曲を演っていることを知ったわけです。息長く育てているというか、進化させているというか。

憲武●1974年でしたか、加藤登紀子とコラボレーションした「灰色の瞳」もヒットしましたよ。これは椎名林檎がカバーしてますが。

天気●フォルクローレ(アルゼンチン)の名曲ですね。

憲武●その頃からは、ギターのテクニックも進化してるでしょうね。

天気●パーカッションも良くてね。仙道さおりというパーカッショニスト。

憲武●初めて知りました。僕が江古田で観た時は、チェロ・アコースティックというチェロを主体としたグループと一緒にやってました。声が全然若い頃と変わってないなあと。

天気●歌もいいですよね。声質の若々しさを保ちつつ、年齢なりの説得力があります。


(最終回まで、あと882夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)

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