後記 ◆ 村田 篠
先日リモート句会で「芭蕉」という兼題が出たのですが、この季語を使ったことがこれまで一度もありませんでした。もちろん見たことはありますが、取り合わせで使うとしても、もう一度よく見たいと思い、といって近所にも見当たらないので、とりあえず歳時記の例句を見てみると、「破芭蕉」を「ボロ布やいたんだ洋服」に見立てた句がいくつかあることに気づきました。
まあ確かに、そういう見方は可能です。でも、これだけ先行句があると、この見立てはちょっと使えない。さらに踏み込んで意表を突くところまでいかないと、面白くはならない。
使い慣れない季語で俳句を作るのはむずかしいものです。好きな季語、よく使う季語というのはどうしたって決まってくるもので、でも、それでいいのではないかという気がします。いちばん大事なのは俳句を作ろうというモチベーションで、自分にとって珍しい季語を使うことがモチベーションに繋がる場合はそれでいいし、決まった季語でいろいろな世界を展開できるのなら、それはそれでいい、と思います。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
no.704/2020-10-18 profile
■田中泥炭 たなか・ぴーと
1981年山口県長門市生まれ。以後、愛媛県松山市に育つ。第1回G氏賞受賞、結社等無所属。地元の居酒屋(兼・古本屋)「ホヤケン」が主催する句会を愛している。ホヤケンは「銀漢亭」の様な場所(に違いない、と思われる)。
■小林苑を こばやし・そのを
1949年東京生まれ。「月天」「百句会」「塵風」所属。句集「点る」(2010年)。
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
■西原天気 さいばら・てんき
■西原天気 さいばら・てんき
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