【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
ランバート・ヘンドリックス&ロス「モーニン」
天気●英国ロックをもう少し続けようかとも思ったのですが、がらっと雰囲気を変えて、Lambert, Hendricks & Rossの「Moanin'」(1960年)です。
天気●1957年に結成。60年代前半までは活躍したっぽい。調べていてわかったのですが、アニー・ロスは今年の7月に89歳で亡くなっています。
憲武●7月21日ですね。弘田三枝子が亡くなった日です。山本寛斎もその日でしたね。
天気●ヴォカリーズ(Vocalese)、ジャズの器楽曲に歌詞を付けて歌うという、えらくざっくりした言い方ですが、そのヴォカリーズの創始者みたいなグループで、この歌唱の感じは、マンハッタン・トランスファー、70年代後半から80年代前半にかけて大人気だった男女2人ずつ4人組の元になったというか先祖というか両親たちみたいです。
憲武●はい。まさに。でなければアル・ジャロウの「テイク・ファイブ」なども生まれてなかったのではないかと。
天気●スタンダード曲「モーニン」は1958年にアート・ブレイキーが発表。歌詞はその翌年にジョン・ヘンドリックスが付けた模様。
憲武●翌年なんですね。
天気●はい。早いですね。
憲武●後半のアニー・ロスの高音、いいですね。なんか懐かしい感じ。このヴォーカル全体が、今の時期にぴったりな感じです。
天気●名曲ですね。モーニン。「朝が来るたび、うめくんだ♪」から始まる歌詞も、気だるいメロディーにぴったりです。なんか朝なんですよね、この曲の悲痛さは。
憲武●朝って悲痛。朝って意地悪。
天気●とはいえ、うめいてばかり嘆いてばかりでは実生活が立ち行かないので、ちょっと元気だしていこうと思うのですよ。
(最終回まで、あと828夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
(最終回まで、あと828夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
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