2021-01-24

【空へゆく階段】№37 解題 対中いずみ

【空へゆく階段】№37 解題


対中いずみ

「ゆう」3号には、2000年1月に行われた創刊記念句会の記録が掲載されている。「青」の精鋭たちや、友人の上田青蛙氏、夫人と三人の子供たちなど40名ほどが集った。主宰としての挨拶はこのたびもたいへん短いもので、「『ゆう』はあせらず着実に進めてゆきたい」「一誌を持つことにより、自分の句を見つめ直してゆきたい」と述べている。

3号の裕明句は以下の通り。太字は句集収録句。

 七草

いつになくこころしづかに年忘れ

口中に歯の尖りけり年の暮

外へ出てみれば明るし冬の山

霜柱目にあきらけく昼の酒

かつて見しごとき白昼霜柱

薺打ちながらみどりといひにけり

次男坊遠くへゆけりなづな粥

七草の仕事してねむたくなりぬ

寒の水この手にうけむこころして

強き樹にならむとすらむ厄落


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