【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
ビーチ・ボーイズ「I Can Hear Music」
天気●ビーチ・ボーイズのカヴァー第3弾てことで、「I Can Hear Music」。ただし、これまでとは逆に、ロネッツのオリジナルをビーチ・ボーイズが1969年にカヴァーしています。
天気●もともとフィル・スペクター・サウンドだったのが、ビーチ・ボーイズ風になるかというと、そうでもなくて、いいかんじに融合してる。
憲武●カール・ウィルソン、頑張ってます。
天気●ビーチ・ボーイズのなかでいちばん好きなのが、この曲で。オリジナルもたくさんあるのに、カヴァーのこの曲がいちばん、だなんて、ちょっと申し訳ないのですが。
憲武●僕は、この音楽千夜一夜で天気さんが一番最初に推薦した「スマハマ」が好きですね。でもこの「I Can Hear Music」はラリー・ルレックス(のちのフレディ・マーキュリー)を初めとして結構カヴァーされてます。
天気●「キミがボクに触れると、音楽が聞こえる。そばにいると、音楽が聞こえる♪」というサビの歌詞は、音楽の本質、恋の本質に迫るものですし、メロディも明るく胸いっぱいな高揚感がある。歌いたくなりますよね。
憲武●はい、つい口ずさんじゃいます。その制作の背景にどんなことがあったにせよ、作品は作品として永遠に明るいです。
天気●動画を見ると、リードヴォーカルをとってるカール・ウィルソン、それからドラムを叩いているデニス・ウィルソンはもう亡くなりました(それぞれ98年、83年沒)。長男のブライアン・ウィルソンは、精神的に調子の悪い時期だったんでしょう、姿が見えなくて、65年からバンド加入のブルース・ジョンストンがベースを弾いてます。味わい深い動画です。
憲武●そうですね。この曲、改めて聴くと、よく出来てる曲ですね。ロネッツの解散直前の頃の曲ですけどね。
天気●でね、みょうなことに気づいちゃったんですが、ロネッツのオリジナルとこのカヴァー、キーが同じなんです。女性が歌ってるのを男性がカヴァーすると、キーを変えるのが普通なんですが、これは同じ。ビーチ・ボーイズって、声が高いんだなあ、って、ちょっと吃驚したわけです。
(最終回まで、あと825夜)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
(次回は中嶋憲武の推薦曲)
0 comments:
コメントを投稿