【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
The Modern Folk Quartet「This Could Be the Night」
憲武●ビーチボーイズのカヴァーということで、山下達郎の「darlin」を推薦しようと思っていた矢先、フィル・スペクター獄中死というニュースが飛び込んできましたので、急遽、The Modern Folk Quartetで「This Could Be the Night」です。
憲武●この曲、ハリー・ニルソンが作詞作曲、フィル・スペクターがプロデュースしてます。ニルソンがブライアン・ウィルソンへ捧げるために作った曲です。山下達郎も「Go Ahead!」「Big Wave」、それぞれのアルバムでカヴァーしています。もちろんブライアン・ウィルソンもカヴァーしてますね。
天気●よく知ってる曲な気がするのは、ブライアン・ウィルソンので聞き覚えがあるからですね。このヴァージョンは、ペダルスティール・ギターの裏メロが印象的で、そのせいか、いつものフィル・スペクター・サウンドよりも、やや白っぽい仕上がりです。
憲武●この動画はフィル・スペクタープロデュースのコンサートフィルムで、amazonでも入手できますが、スペシャルゲストがデビッド・マッカラムと、出てる人が錚々たる顔ぶれですね。ロネッツもくるくる回っててかわいいし。いかにも60年代!って感じです。
天気●顔ぶれを観ているだけで、ワクワクして、胸がいっぱいになります。おそろしいことに、全篇が観れますね(≫こちら)。ここから切り取って、個々のシンガー、個々のグループの動画としてYouTubeに上がってるものも多いようです。
憲武●そですね。第546号で推薦したロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」もここからの動画だったようです。僕はこの曲、山下達郎のアルバム「Go Ahead!」で知ったんですが、曲の印象がなんかキラキラしてていいんですよね。光ってる雨が降ってる感じもするんです。冷たくはなくて、温かい光の雨。
天気●夜の曲なのにね。
憲武●はい。なんか夜の感じは希薄です。歌詞の内容は彼女と初めての夜を迎える17、8歳、まあ17歳でしょう、の少年のドキドキ感を歌ったもので、苦笑いしてしまいますね。フィル・スペクター自身一番乗ってて、輝いてた時代だと思います。ウォール・オブ・サウンドって、とやかく言われがちですが、熱に浮かされてる感じがあって、それが、こういった曲の場合、ピタリとハマるんですね。ウキウキしてくるサウンドです。
(最終回まで、あと824夜)
(次回は西原天気の推薦曲)
(次回は西原天気の推薦曲)
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