後記 ◆ 村田 篠
ふつうに句会をしたり旅行したりできる日がいつ来るのか、先がなかなか見えず、自宅で過ごすことが多い毎日です。
こういうときだから本を読むのにちょうどいいと思うことにして、積ん読になっている本を手に取るのですが、読み始めるとなかなか進まず、歳とともに読書スピードが著しく衰えていることに愕然とします。映画も好きなのでよく観るのですが、自宅でBlu-rayやDVDを観ていると、途中で眠くなることもしばしば。やはり映画は映画館で観ないと。ということで、マスクと消毒で感染対策をしながら、ときどき映画館に出かけます。出かけると緊張感が生まれて、全身に血が行き渡るような気がします。こんなときに毎日職場に出かけなくてはならない方がたくさんおられることにも思いが至ります。
出かける理由がまったくない「外出」というのは、じつはそんなに多くないという気がします。どんな外出でも、その人にとっては意味があることがほとんどなのではないかしら(もちろん、そうではない人も中にはあるでしょうけど)。人間という生き物と「公衆衛生」のせめぎ合いなのかもしれません。「不要不急」という言葉のかぎりない曖昧さについて、考えてしまいます。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
no.750/2021-9-5 profile
■高柳克弘 たかやなぎ・かつひろ
1980年、静岡県浜松市生まれ。藤田湘子に師事。2004年、第19回俳句研究賞受賞。現在、俳句結社「鷹」編集長。読売新聞朝刊KODOMO俳句選者。早稲田大学講師。句集に『未踏』(第1回田中裕明賞)、『寒林』。評論集に『凛然たる青春』(第22回俳人協会評論新人賞)、『どれがほんと? 万太郎俳句の虚と実』『究極の俳句』。児童小説に『そらのことばが降ってくる』。鑑賞書に『芭蕉の一句』『蕉門の一句』『名句徹底鑑賞ドリル』など。2017年度、Eテレ「NHK俳句」選者。
■対中いずみ たいなか・いずみ
1956年生まれ。田中裕明に師事。第20回俳句研究賞受賞。著書に句集『冬菫』『巣箱』『水瓶』(第68回滋賀文学祭文芸出版賞、第7回星野立子賞)、『シリーズ自句自解Ⅱベスト100対中いずみ』。「静かな場所」代表、「秋草」会員。
1956年生まれ。田中裕明に師事。第20回俳句研究賞受賞。著書に句集『冬菫』『巣箱』『水瓶』(第68回滋賀文学祭文芸出版賞、第7回星野立子賞)、『シリーズ自句自解Ⅱベスト100対中いずみ』。「静かな場所」代表、「秋草」会員。
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。
■西原天気 さいばら・てんき
■村田 篠 むらた・しの
1958年、兵庫県生まれ。2002年、俳句を始める。現在「月天」「塵風」同人、「百句会」会員。共著『子規に学ぶ俳句365日』(2011)。「Belle Epoque」
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