【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】ファイン・ヤング・カニバルズ「Suspicious Minds」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】

ファイン・ヤング・カニバルズ「Suspicious Minds」

天気●エルヴィス・プレスリーは、一度は取り上げたいのですが、いきなりだと胃もたれしそうなので、「サスピシャス・マインズ」のカヴァー（1985年）を。

 

天気●プレスリーのファンでもなく、そんなに聴いてるわけでもないのですが、この曲は、好き。マーク・ジェイムズという人の作詞作曲および歌唱で1968年にリリース。プレスリーがその翌年にカヴァー。マーク・ジェイムズがそんなに有名ではなく、プレスリー版がヒット（ビルボード全米1位ですって。しかもプレスリー7年ぶり）したこともあって、完全にプレスリーの持ち歌って感じです。

憲武●タイトルでわからなくても、聴いてみると、ああ聞いたことあると思える曲ですね。高校の頃、隣家にエルヴィスマニアの二つ年上の先輩が住んでて、よく聴きに行きました。持ってるレコード、全部エルヴィスなんです。その頃はビートルズにシビレてたので、ふーん、へーって感じでしたね。でも、これ、カバーだったとは、それ知らんかっとってんちんとんしゃん。

天気●オリジナルのマーク・ジェイムズのを聴いてみると（YouTube、便利）、ギターのイントロのがなくて、ああ、これはプレスリーから始まった曲なんだなあ、と。

憲武●そうですねえ。

天気●ファイン・ヤング・カニバルズ（Fine Young Cannibals）は英国のバンドで、1985年にレコード・デビュー。「サスピシャス・マインズ」の入っているこのアルバム、当時、よく聴きました。スカ要素が強いＲ＆Ｂ。いま聴いても、いわゆる「アガる」。

憲武●ファイン・ヤング・カニバルズ、PVの録画に余念のなかったピーター・バラカンの番組で初めて知りました。その時の曲はJonny come homeでしたか。デビューアルバム1曲めの。

天気●うん、その1曲目、とりわけ好きだった。

憲武●ヴォーカルのローランド・ギフトの個性が強烈でしたね。

天気●粘っこい歌唱ですよね。モノクロのＰＶもなかなか落ち着いて、オシャレ。もうちょい画質のいい動画があるといいのですが。というわけで、寒くなってきましたが、くれぐれもご自愛ください。

（最終回まで、あと782夜）