週刊俳句2021年アンソロジー
14名14句
雪いろの冬毛のじかんみじかいね 木田智美 第717号
笛吹きて猫の貌なる明治雛 篠崎央子 第724号
なめらかに光をつなぎ春の雪 中西亮太 第725号
水を掻くかすかな音も桜の夜 近恵 第726号
線香の黒く光るや寒戻り 須藤光 第727号
しばらくを地にくつついて石鹸玉 姫子松一樹 第730号
眠りかたを毎夜忘れてしまふよ菫 横井来季 第731号
玉音が洩れとるパッキン替えときや 湊圭伍 第741号
限りある家の暮春を拭いてをり 上田信治 第752号
台風を湯に鎮むれるあひるちやん 恩田富太 第756号
運動会サンドイッチを窮屈に 本多遊子 第757号
声冴える模型の肺を開くとき 花島照子 第761号
麦の芽を何度も風のやりなほす 田邉大学 第764号
極月の鳶のことさらきれいな輪 岡田由季 第765号
(福田若之・謹撰)
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