【空へゆく階段】№62 解題
対中いずみ
『現代俳句集成』(立風書房)は宗田安正の編集で1996年に刊行されている。序文に金子兜太が「昭和生れの俳人六十余名の自選句と俳句観によって、一望のもとに収めようとしたのが、このアンソロジーである」と書いている。福田甲子雄、柿本多映、河原枇杷男、友岡子郷、宇多喜代子、高橋睦郎、竹中宏、鳴戸奈菜、摂津幸彦らのほか、若手では永末恵子、四ッ谷龍、田中裕明、岸本尚毅らが登場している。この文章は自らの俳句観を書くスペースなのだが、力むことなく、「青」入門当初のころの楽しかった思い出を記している。田中裕明は後年、「俳句とは何か」という問いに「縁」と答えた人だが、これらの出会いや交流が自分の俳句観を形作ってきたと言いたかっただろうか。
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