【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
キャロル・キング「So Far Away」
天気●今回はキャロル・キングです。大ヒットアルバム「タペストリー(邦題・つづれおり)」(1971年)もあって、ピアノ弾き語りのシンガー・ソングライターというのが日本での一般的な認知ですが、それ以前に、60年代、作曲家としてヒットを連発した人です。
憲武●夫(当時)のジェリー・ゴフィンとのゴフィン&キングというソングライターチームとしてキャリアを開始したんですね。リトル・エヴァの「ロコ・モーション」、モンキーズの「プレザント・バレー・サンディ」など名曲、佳曲が目白押しです。
天気●あと、ドリフターズの「アップ・オン・ザ・ルーフ」とかね。いい曲が山ほどあります。そのなかで一番好きな曲は何かなあ、ということで「So Far Away」です。
天気●「タペストリー」に入っていて、クルセイダーズの名演でも知られる曲。こっちを取り上げてもよかったのですが、キャロル・キングの衰えなさにびっくりしちゃったので、この2016年のライブにしました。1942年生まれのので、このとき74歳です。
憲武●いやー、この動画初めて見ましたけど、ほとんど泣きそうですね。声が昔のまんま、ちょっと高音がキツいかな?と思いはするものの、「つづれおり」で聴いたあの声です。
天気●若い頃の写真をプロジェクターに移したりの舞台演出もあって、年齢層が高い観客には感涙モノだと思います。
憲武●まさに。ライブでのプロジェクターには泣けます。
天気●モノクロームの威力も実感。60年代から70年代に活躍して、いまもステージに立つシンガーやミュージシャンは多いのですが、みんなやっぱりどこか衰えている。衰え方が激しいと悲しくなったりもする。そんななか、74歳のキャロル・キングは歌もステージでの存在感も、ぜんぜん「昔の人・昔のスター」じゃなくて、今そこにいるシンガー・音楽家って感じで、ちょっと感動しちゃったんですよね。
(最終回まで、あと770夜)
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