【空へゆく階段】№64 解題
対中いずみ
「晨」71号(1996年1月号)掲載。万歩計に不機嫌になっている裕明。ちょっと珍しい口調である。
本号の作品10句。
旅先に読む本貧し鉦叩
鯊釣に魚籠というものなかりけり
なつかしや蜻蛉を釣る細き糸
泣くうちに酔ひのさめたるきりぎりす
虫籠も内玄関も濡れてあり
末枯れて国のためとは誰も言はぬ
或国の秋草のほかにくみけり
いま告ぐることが遺言返り花
時雨僧高き位でありにけり
鑑眞の旅のをはりの霜柱
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photo by Tenki SAIBARA
【空へゆく階段】№64 解題
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