2022-03-26

対中いずみ 【空へゆく階段】№64 解題

【空へゆく階段】№64 解題

対中いずみ


「晨」71号(1996年1月号)掲載。万歩計に不機嫌になっている裕明。ちょっと珍しい口調である。

本号の作品10句。

旅先に読む本貧し鉦叩

鯊釣に魚籠というものなかりけり

なつかしや蜻蛉を釣る細き糸

泣くうちに酔ひのさめたるきりぎりす

虫籠も内玄関も濡れてあり

末枯れて国のためとは誰も言はぬ

或国の秋草のほかにくみけり

いま告ぐることが遺言返り花

時雨僧高き位でありにけり

鑑眞の旅のをはりの霜柱

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