【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
バーバラ・アクリン「Am I The Same Girl」
憲武●桜が開花して、すこし華やかな気分の今日この頃な訳です。華やかな感じのこの曲を。バーバラ・アクリン「Am I The Same Girl」。
憲武●この曲は、ダスティ・スプリングフィールド始め、いろんな人にカバーされてますが、ぼくが知ったのはスイング・アウト・シスターのカバーによってでした。
天気●私も、そうです。聴いたとたん、ああ、いい曲だなあ、って。
憲武●このBarbara Acklinのバージョンがオリジナルです。この曲はシカゴ・ソウルのレーベルの一つブランズウィックのソニー・サンダースとユージン・レコードの作品です。ユージン・レコードは、先般こちらでも取り上げられましたね。シャイ・ライツの「Have you seen her」はユージンとバーバラの作品です。
天気●シャイ・ライツも大好きなので、このあたりは、もうドンピシャの好みです。
憲武●この曲のスタートは不幸なものでした。録音後、プロデューサーのカール・デイヴィスはボーカルを抜いて、代わりにピアノを入れたものを先に発売しちゃうんです。それがYoung-Holt Unlimitedの「Soulful Strut」(1968年)です。こちらの方がヒットして、よく知られてます。
天気●TBSラジオの午前の番組「生活は踊る」のBGMで流れていますから、番組リスナーは、曲を知らなくても耳覚えがあるはずです。それと、これ、憲武さんも来てくれた3年前のデビュー・ライブで演った曲です。ボーカルがいないので、インストのほうでしたが。
憲武●おお、ハザコ。なにしろ3年も前のことなんで、すっかり忘却してましたが、この選曲に内心「おお!」と狂喜したんでしたっけ。
天気●サンキュー、ベリーマッチ!
憲武●当時、なんでインストにしたのかは、ちょっと分かりません。インストもののヒットがほかにあったんでしょうかね。
天気●Archie Bell & The Drellsの「Tighten up」が同じ1968年ですね。 こちらはインストのままカヴァーの多い曲です。当時、ソウル系のインストが流行したかどうかは、浅学にして不明です。
憲武●ぼくなどはすぐ「ジャパニーズ・ジェントルメン、スタンダッププリーズ!」と口走ってしまいそうです。
天気●それはYMOのヴァージョン。
憲武●バーバラのオリジナルは、後発という形になって、パッとしなかったようです。もしもボーカルそのままで発売されていたら、ヒットしていたかもしれません。人の気まぐれとか思いつきって、恐いですね。
(最終回まで、あと767夜)
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