2022-05-15

対中いずみ【空へゆく階段】№70 解題

【空へゆく階段】№70 解題

対中いずみ



「晨」55号(1993年5月号)掲載。総合誌等から秀句を引いて鑑賞するコーナーである。裕明の鑑賞の幅が思われる。なかでは、長谷川櫂と岸本尚毅への言及が興味深い。

この号の発表作品10句。

大峰の雪解千すぢに流れけむ

門辞して満目雪解しづくかな

摘草の夜をかけて水張りし池

山風にいま日の淡き春の水

初蛙赤子の月日よかりける

梅林にまたあたらしき水流れ

梅の蘂もつとも高き酒の神

まつくらなところはこはし梅の花

雪あつきところを春の裾といふ

蓮如忌の月のしづかに出でにけり



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