【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
藤井風「きらり」
憲武●前回、くるりでしたので、そこからの連想で藤井風「きらり」です。
憲武●先ごろセカンドアルバムが発売になりましたね。この曲はそのセカンドの1曲めです。曲自体は去年の5月に配信限定で既にリリースされてました。
天気●この人、去年の大晦日、紅白歌合戦で観て、とてもよかったです。
憲武●室内履きが可愛かったですね。この曲、転調が気持ちよくて、今頃の季節にぴったりな曲です。爽快。
天気●いかにもな転調じゃなくて、ちょっと凝ったかたちで、でも、結果として自然に調が展開する。あと、基本のリズムがEDM調、飾りの音がいわゆるネオソウルっぽくて、そのあたりの洗練と爽やかさが、いいバランスです。
憲武●そうなんです。バランスがいいんですよね。藤井風は岡山出身で、日常会話でも自分のこと「ワシ」って言う岡山弁ネイティブです。タイトルや歌詞の中にも、「もうええよ」「何なん」とか、ちょこちょこっと出てくるんです。今回の「きらり」ではまったく都会の人ふうですが。
天気●岡山弁て、関西弁とは少し(いや、だいぶか)違う。朝ドラ「カムカムエブリバディ」でふんだんに聞けましたね。
憲武●岡山弁といえば岩井志麻子をすぐ思い出します。5、6年前からYouTubeでピアノでいろんな人のカバーしてて、誰なんだ?と思ってました。特に圧倒されたカバーは、泰葉の「フライディ・チャイナタウン」です。自宅での撮影です。この動画のハイライトは、強引にチャイナ感を出してた中華丼のパッケージが倒れるとこですね。
天気●ピアノ、揺れますからね。
憲武●米津玄師も才能溢れてると思いましたが、藤井風もまた違った感じで才能溢れてると思います。なにより二人ともに日本語をきちんと歌おうとする姿勢がいいですね。
天気●大御所の審査員みたいなことゆってる(笑。
憲武●こりゃまた失礼。「きらり」のMVは、藤井風と同じく岡山出身の24歳、スパイキー・ジョンが演出してます。どんどん才能溢れる若者が出てきて、嬉しい限りです。
(最終回まで、あと763夜)
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