【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
チャップリン「スマイル」
天気●チャップリンの喜劇は知らない人がいないくらい有名なのですが、この人、よほど才能が豊かな人のようで、作曲家として、「スマイル」、そして映画「ライムライト」の「テリーのテーマ」という名曲を残しています。タイトルを知らない人でも聴けばわかるというくらいの曲で、今回は、数あるカヴァー曲のなかから、ナット・キング・コールの歌唱を。
天気●ほんと甘美。せつなくもあり、でも優しくて微笑みそのもののようなメロディー。
憲武●「スマイル」。音が鳴り出した瞬間に泣けてしまいますね。まあ、「テリーのテーマ」もそうなんですが。日劇が取り壊される時に、チャップリンの映画を特集上映でいろいろ観たんですけど、「モダンタイムス」の「スマイル」なんとも言えない、いい気分になりました。
天気●エルビス・コステロがテンポ感のあるのとスローバラード調と、2つ歌ってたり、変わったところではマイケル・ジャクソンの歌唱もあるので、好きな人はいろいろ探してみるといいですね。
憲武●ほんとにいろんな人がカバーしています。トニー・ベネットのものも、なかなかいいと思います。
天気●ライムライトのほうもちょっと言っておくと、むかし、この曲を奏でる小さな手回しオルゴールを持っていました。回すタイミングで歌心も変わってくるので、神経を集中させて回して楽しみました。等間隔のテンポどおりじゃなく「歌わせる」という作業を面白がっていました。
憲武●オルゴールの「テリーのテーマ」はせつないですねえ。
天気●というわけで、この2曲を残したというだけで、チャップリンは偉大な作曲家だと、そう言い切っていいと思うんですよね。
(最終回まで、あと756夜)
0 comments:
コメントを投稿