【空へゆく階段】№74
後記 310号
田中裕明
「青」第310号(1980年7月)
いい音楽、いい絵とは、それを聞いたり見たりした後で、確かに自分が変わったと感じられる、そのようなものだと梶井基次郎の書簡にあったと記憶しています。それから書簡集を何度読みかえしてみても、その一節にめぐりあうことができないので、もしかすると別の人かもしれませんが。変貌のための受け入れ態勢をつくってゆくこと、おかしな言い方ですがそれをいまのうちにやらなくてはと思っています。触手をいっぱいに伸ばすことも、必要でしょうか。
今月は、久方ぶりに、「現代俳句評」と「高濱虚子俳論研究」が揃いました。執筆者には苦労をかけますが、できれば毎月掲載したいアーティクルです。表紙絵に専念されたために「季の石ひろい」は休載です。残念ですが、すばらしい表紙絵になりました。
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