りん句るに沼る
鈴木茂雄
それはある日とつぜん送られてきた一通のメールからはじまった。「しりとりせえへん?」という関西弁特有の誘いに、対人関係の苦手なわたしは即座にそして丁重にお断りした。
それなのにいつのまにかはじまっていて、気がついたら1500句ほどのストックになっている。当初は「しりとり」をはじめてしまったという後悔だけだったが、「5.7.5 をしりとりで繋いで言葉の万華鏡のようにしてみたい」という、野間のワイルドでチャイルドな好奇心に徐々に惹かれていった。
「言葉で景色を書くのではなく、言葉の景色を書く」という言葉にも共感した。言葉を組み立てることでつぎつぎ現れる世界が刺激的で、言語空間の構築という言葉の組み立てられていくその過程と、言葉の自在な変容を愉しむことができた。なによりしりとり俳句という相互のやりとりのスピード感は快感でさえあった。
いま流行りの言葉では「沼る」ということになるのだろうか。「りん句る」という名前は、575 であること、前の人の作品から文字を使用すること、同音異語は可、末尾の文字でなくても可、それならしりとりではないということで、繋ぐことから「LINK=りん句」と名付けた。
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