【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
プム・ヴィプリット「Lover Boy」
憲武●今年は梅雨明けが二度楽しめるという稀少な年になりました。本格的に夏到来ということで、Phum Viphuritで「Lover Boy」。
憲武●1995年バンコク生まれの青年です。プム・ヴィプリットと読みます。一聴、懐かしい感じなんだけど、新しさもあります。全体的にキュートな印象。
天気●うん。かわいい。バッキングのコードにメジャーセブンやらマイナーナインス多用で、ふわふわとした、いわゆる浮遊感? マイルドな歌声も相まって、正統派シティポップですね。あと、山下達郎以降、この路線が青春歌謡の一つの流れかも。
憲武●うーん、青春歌謡。
天気●青春のひとコマ歌謡、夏の思い出ポップス。この手のPVに多いのが、まず女の子が出てくるというパターン。
憲武●そしてボードウォークや浜辺が必須の舞台設定ですね。
天気●そうそう。
憲武●聞いて、懐かし、と思ったのは70年代のモータウンサウンドやソウル・ミュージックの影響が感じられたからでしょうか。
天気●70年代以降の洗練をまとった感じ。耳慣れた音ですね。
憲武●日本のシティポップなどの影響もありますかね。
天気●日本だと、このところ「ネオソウル」と呼ばれてる感じに近いかも。
憲武●歌詞の細かい機微はわからなくても、リズム、メロディ、ギター、声などで伝わって来るものがあります。最近、日本のシティポップが海外でウケてるようですが、やはりそんな感じなんでしょうか。
天気●へえ、日本のが? 海外に?
憲武●そおーなんですよ、天気さん。松原みきの「真夜中のドア」とかです。最近、ベトナムのシティポップを聴いたんですが、お洒落でしたね。シンガポール、マレーシアなどにも、いい音楽がありそうです。アジアがいま、アツいのかもしれません。
(最終回まで、あと751夜)
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