2022-08-28

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】キャロル・キング「It Might As Well Rain Until September」

【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
キャロル・キング「It Might As Well Rain Until September」


天気●キャロル・キングは前に一度取り上げたんですが、今回は、私たちの世代が知っているキャロル・キングのはるか以前、1962年、20歳のときの曲です。

 

天気●当時はまだ夫だったジェリー・ゴフィンとの共作でソングライターとして売れ始めた頃、自身初めての録音だそうです。本人から聞いたみたいな言い方ですが、違いますよ。Wikipedia 情報です。

憲武●なるほど20歳でしたか。そして初録音。才能ですね。

天気●9月になるまでは、あなたに会えないから、それまではずっと雨でいいや♪ みんなは海とか出かけるけど、私は部屋で過ごすんだし♪ てな歌詞で、いかにも学生のラヴソングです。

憲武●この曲、いかにも60年代ポップスのフレーバーを纏ってますが、例えばボビー・ヴィーの曲のような、その実しっかりと後年のキャロル・キング節のようなところが随所に聞けます。

天気●ゴフィン・キングのコンビは、「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」(1960年)、「ロコモーション」(1962年)、「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」(1963年)などのヒットを飛ばして、それ以降もアメリカン・ポップスの王道的な作品を数多くものにしますが、1968年の離婚でコンビ解消。意外に短い期間です。で、1971年のソロ・アルバム「Tapestry」へと続くわけです。

憲武●大ヒットアルバムですよね。ゴフィン・キング名義といえば、「ワン・ファイン・デイ」(1963)、「アップ・オン・ザ・ルーフ」(1962)、ビートルズがカバーした「チェインズ」(1962)などもありました。手元にあるゴフィン・キングの「ソングブック」というアルバムのジャケットを眺めてますと、仲睦まじいようで微笑ましいです。

天気●それって、これ? これなら、私も持ってる。


憲武●まさに実にこれです。

天気●いわゆる蜜月期間。離婚後、ジェリー・ゴフィンはゴフィンで、別の人とコンビを組んだりして、第一線で仕事を重ねているんですね。「It's Not the Spotlight」がゴフィンとバリー・ゴールドバーグ共作というのを、今回知りました。

憲武●その曲、浅川マキが「それはスポットライトではない」というタイトルでカバーしてますよね。

天気●はい。「もしも光がまたオイラに♪」という歌い出し。カルメン・マキも演ってます。さて、「It Might As Well Rain Until September」に話を戻しましょう。キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの学生カップルが、のちに偉大な音楽的業績を残す。その意味でも、この、9月が待ち遠しいというラヴソング、キャリアの最初期にふさわしい曲かもですね。


(最終回まで、あと746夜)

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