後記 ◆ 上田信治
岡田一実さんが、第42回現代俳句協会評論賞を「『杉田久女句集』を読む――ガイノクリティックスの視点から」で受賞されました。
受賞発表前に岡田さんから、もし、落選したら「週俳」に載せてもらってもいいですか? と打診され、もちろんもちろん、でも、受賞されるんじゃないですか──などと言っていたら、やはりというか受賞され、しかし、ぜひ広く読まれてほしい論考であり、せっかくの経緯でもあるので、今週、特集「「女性」と俳句」というかたちで、お届けすることにしました。
岡田さんの久女論は、作品を現在のフェミニズムの水準で位置づけた上で、従来「情念」のようなレベルで評価されがちであったその久女の句業を救い出し、なおかつ、その人生の闘争の正当性を確立する、というすばらしいものです。
ぜひ、ご一読ください。
現代俳句協会の会員誌「現代俳句」11月号でも、特集が組まれるそうです(電子版も購読可能)。
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それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。
no.805/2022-9-25 profile
■野口る理 のぐち・るり
1986年生。句集『しやりり』
■岡田一実 おかだ・かずみ
1976年生まれ。第3回芝不器男俳句新人賞にて城戸朱理奨励賞。第32回現代俳句新人賞。「らん」同人。句集に『境界ーborderー』(2014)『新装丁版 小鳥』(2015)。『記憶における沼とその他の在処』(2018)『光聴』(2021)。
■松本てふこ まつもと・てふこ
1981年生まれ。平成23年『俳コレ』に筑紫磐井選による百句入集。平成30年、第五回芝不器男俳句新人賞中村和弘奨励賞受賞。「童子」同人。句集『汗の果実』(2019)。
■小林苑を こばやし・そのを
1949年東京生まれ。「月天」「百句会」「塵風」所属。句集『点る』(2010年)。
■中嶋憲武 なかじま・のりたけ 1960年生まれ。「炎環」「豆の木」。2013年週俳eブックス「日曜のサンデー」。2018年 第四回攝津幸彦記念賞・優秀賞受賞。2019年、第0句集「祝日たちのために」(港の人)。山岸由佳とのコラボレーションによるwebサイト「とれもろ」https://toremoro.sakura.ne.jp
■西原天気 さいばら・てんき
■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。共著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。句集『リボン』(2017)エッセイ『成分表』(2022)。
1961年生れ。共著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。句集『リボン』(2017)エッセイ『成分表』(2022)。
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