2022-11-06

対中いずみ【解題】後記 302号

【解題】後記 302号

対中いずみ


「青」302号の後記である。後記は、295号以降久しぶりの登壇であるが、その間、300号記念号の編集等で活躍していたようである。301号で爽波は「次号あたりから島田牙城君を中心として、田中裕明・上田青蛙の両君に全面的に編集を委せて行こうと思います」と記している。それに続くのが本号である。牙城・青蛙・裕明の三人揃い組の初めての後記となる。

302号では雑詠欄巻頭に6句が掲載されている。

送行や投網打つ人雨の中

昼花火続くや松の色さまざま

摂待や矮鶏が孵せし家鴨の子

泳ぎながら見る灯籠を焼く焔

従妹九ツ蓬でみがく水眼鏡

盆の雨やむときしづか風呂熱き

(太字は第一句集『山信』に収められている。「昼花火」は「笠置」と前書きを付し、「昼」は「晝」となっている。「泳ぎながら」には「熊野三句」の前書きを付している。)

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