【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
ジャクソン5「La La Means I Love You」
天気●ベース特集以降たびたび取り上げているモータウンのベースです。誰が弾いているか、クレジットが手元にないのでわかりませんが、ともかく、モータウンはモータウン。なんてたってモータウン。ジャクソン5の「La La Means I Love You」(1970年)です。
天気●メローなメロディと音作りで、そこだけで聞かせてしまうのですが、ベースがビート感を醸して、胸躍るラヴソングに仕上がっています。例によって、2度目はベースだけに耳を澄ませてください。
憲武●はい、聴いてみました。この曲を知ったのは、79年でしたか、サマンサ・サングの「エモーション」というアルバムですが、その前にラジオでだいぶ流れてましたでしょうか。
天気●前奏にある細かいリズム、歌のバッキング、そして2分17秒あたりからのストリングスによる間奏のバッキングと、3つのパターンで色合いを変えるベースラインになっていて、飽きない。
憲武●前奏のベースの連打、印象的です。確かに飽きの来ない演奏になってます。
天気●ベースの洗練ぶりは、オリジナルのデルフォニックス版(1968年)と聴き比べると、よくわかります。こちらはルート音を辿って、リズムも平坦。録音年は2年しか違わない。ベースだけでなく音全体の印象が、2年よりはるかに大きな隔たりを感じませんか。
憲武●デルフォニックス版も、嫌いではないですが、こう聴き比べてみると違います。ちょっと飽きの来る感じに仕上がってます。
天気●で、この曲なんですが。カヴァー・ヴァージョンも多い名曲。恋慕を伝えるのは、語彙や文彩ないよ、「ララララ」と歌う。それイコール・愛している、ということだそうです。ウブでキュートなラヴソング。というわけで(どういうわけだ?)、2023年もよろしくお願い申し上げます。
(最終回まで、あと728夜)
0 comments:
コメントを投稿