【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
エタ・ジェイムズ「Deep In the Night」
天気●大好きで、一時期、ほんとよく聴いていたエタ・ジェイムズ。きょう突然思い出しました。
天気●語りから始まるソウル・バラードで、途中、アップテンポのシャウトも聴けます。この歌手の歌唱の魅力が凝縮した感じの仕上がりです。
憲武●2分近い語りですね。「枯葉」も結構長いと思いましたが。こういう前語りって、シャンソンによくありますけど、ソウルなどにもよく聞かれます。邦楽にはない伝統ですね。
天気●ソウルだと、マリーナ・ショウの「Go Away Little Boy」とかね。邦楽だと中間の箇所が多いのかな? 加山雄三「君といつまでも」とか。
憲武●中間の語りはありますね。井上陽水の「桜三月散歩道」とか。あっ、クレージーキャッツにもあったかも。「これが男の生きる道」でしたか。「バッチリ行きてえなあー」と言ってたかも。
天気●エタ・ジェイムズ(1938 - 2012)は60年代にチェス・レコードでたくさんアルバムを残しましたが、この曲は、チェス倒産の2年後、1978年リリースされた同名アルバム「Deep In the Night」に入っています。
憲武●このアルバムは知りませんでした。というかエタ・ジェイムズ自体あまり聴いてません。死の前年までアルバムを出していたんですねー。知らなかった。
天気●歌詞の内容は、愛する人がいない夜が耐えられないといった感じの、シンプルな傷心ラヴソングですが、「夜の底で」というタイトルのせいか、雰囲気や感情に広がりがあります。
憲武●この曲は独身の時聴いたら、沁みたでしょうね。
天気●ちょっと寝苦しい夜に、じりじりと心に染みる、雄弁な歌唱だなあ、と、つくづく。
(最終回まで、あと706夜)
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