【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
ザ・バンド「ウェイト」
天気●またもや訃報です。8月9日にザ・バンドのロビー・ロバートソンが亡くなりました。80歳。で、ザ・バンドの曲、それもロビー・ロバートソンの書いた曲ということで、有名なところを。「ザ・ウェイト」です。
憲武●この訃報、ここで初めて知りました。「ラストワルツ」は封切時じゃなくて、一年後くらいに文芸坐だったかで観ました。「ロッキー・ホラー・ショー」と二本立てで。
天気●ザ・バンドがたくさんのミュージシャンと共演したライブ「ラストワルツ」から、コンサート・ライブじゃなくて、あえてスタジオ・ライブにしたのは、ステイプル・シンガーズの歌唱があまりに素晴らしいので。
憲武●うーん、何なんでしょうね、このノリ。言葉にならない部分、つまり詞でない部分のスキャットがすごく自然ですね。
天気●そうそう。特にリヴォン・ヘルムに続いて入るメイヴィス・ステイプルズが最高の部類です。「ザ・ウェイト」っていう曲が、ゴスペルっぽいので、もともとステイプルズの持ち歌であるかのように自然です。
憲武●はい。そうなんですよね。
天気●それと、この演奏では、ロビー・ロバートソンのギターもまあまあふんだんに聞けます。バッキング重視の渋いギターです。見かけこそダブルネック・ギターで派手ですが。
憲武●映画でロビー・ロバートソンが動いてるのを、初めて観ましたが、カッコいいひとだなというのがありました。
天気●ザ・バンドのオリジナルメンバー5人のうち、4人がすでに亡くなっていて、ガース・ハドソン(キーボード)しか残っていないんですね。
憲武●そうなんですか。リック・ダンコも好きでしたが。
天気●ベースのリック・ダンコは早くも1999年、56歳で亡くなってますね。で、この曲、1枚目のアルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」収録。スタジオ盤はどんなんだっけ? と、ちょっと興味が湧いてきて、ついでに他のも聴いてみたくなりました。5人中4人がカナダ人なんですが、ザ・バンドは、アメリカンロックのど真ん中という感じもあって、これを機にまとめ聴きする気になってますよ。
(最終回まで、あと698夜)
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