【中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜】
マイケル・フランクス「The Lady Wants to Know」
憲武●夏にはスローなテンポの曲も似合うかと。この曲、大好きなんですよ。マイケル・フランクス「The Lady Wants to Know」。
憲武●アルバム『スリーピング・ジプシー』(1977)の1曲目です。詞、曲はマイケル・フランクスですね。とにかく夏って感じで、ラリー・カールトンのふわーっとした感じのギターから引き込まれてしまいます。このアルバム自体好きで、今でもふっと聴きたくなる時あります。
天気●私はこのアルバムのひとつ前、『アート・オヴ・ティー』(1975)をほんと繰り返しよく聴きました。
憲武●それもいいアルバムですね。「スリーピング・ジプシー」のパーソネルはラリー・カールトンの他に、ジョー・サンプル(ピアノ)、ウィルトン・フェルダー(ベース)、ジョン・グエリン(ドラムス)、マイケル・ブレッカー(テナー・サックス)、レイ・アルマンド(パーカッション)です。参加メンバーも、スタッフ陣も豪華です。スタッフは、エンジニアがアル・シュミット、アレンジがクラウス・オーガマン、プロデューサーはトミー・リピューマです。
天気●クルセイダーズ+西海岸のスタジオミュージシャンといく布陣。当時、とびきり垢抜けた音でした。
憲武●当時はウエストコースト来てましたからね。マイケル・フランクスのあまり上手くない歌と声がいいんですよね。
天気●ライブに行った友人の話だと、「ほんと、ヘタ」だそうです。
憲武●ライブは怖いですね。実力がわかっちゃう。ジョー・サンプルの主張しないピアノと、煌めくようなマイケル・ブレッカーのテナー・サックス。心地いいって、こういうことを言うんでしょうね。
天気●ジョン・グエリン(ゲリン)のドラムスの音もとても好きでした。
憲武●ジャケットは、水の中から見た光の泡みたいなイメージですかね。このジャケット、内容とよく合ってる気がしてます。完璧なアルバムです。
天気●前作『アート・オヴ・ティー』からさらにメローになって、ストリングスの目立つアレンジのように思いました。
憲武●はい。このアルバム聴きながら、もうちょっと夏を楽しんでいたい感じですね。
(最終回まで、あと696夜)
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