2023-12-24

一つ目、そして次 森高弘『光れ光れ』の一句 西原天気【句集を読む】

【句集を読む】
一つ目、そして次
森高弘光れ光れ』の一句

西原天気


獅子唐の一つ目辛し次平気  森高弘

一つ目で辛いのを引き当ててしまったわけです。誰もが経験したことのある食卓でのヒトコマ。

なんということもない出来事が定型に収まり、童謡のような味わい。

俳句とは、ときとしてキュートな形式だなあ、と、いまさらながら。


句集には、《螢籠光れ光れと夜明けまで》《六尺をきつく締め合ひ宵祭》などの佳句のほか、《店の外(と)へ掃くや戻りて花の屑》など日頃の仕事・労働を詠んだ句も多い。

森高弘『光れ光れ』2022年10月29日/喜怒哀楽書房

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