【句集を読む】
一つ目、そして次
森高弘『光れ光れ』の一句
西原天気
獅子唐の一つ目辛し次平気 森高弘
一つ目で辛いのを引き当ててしまったわけです。誰もが経験したことのある食卓でのヒトコマ。
なんということもない出来事が定型に収まり、童謡のような味わい。
俳句とは、ときとしてキュートな形式だなあ、と、いまさらながら。
句集には、《螢籠光れ光れと夜明けまで》《六尺をきつく締め合ひ宵祭》などの佳句のほか、《店の外(と)へ掃くや戻りて花の屑》など日頃の仕事・労働を詠んだ句も多い。
森高弘『光れ光れ』2022年10月29日/喜怒哀楽書房
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