2024-04-07

後記+プロフィール885 福田若之

後記 ◆ 福田若之

馬と汽車、といえば。
 
機関車の底まで月明か 馬盥  赤尾兜子
 
「馬盥」は「ばだらい」とも読めますが、調べると、兜子自身は「うまだらい」と読んでもらいたかったことがわかります。律動のうえでも、まあそう。
 
この句については、むしろ、「月明か」をどう読むのか――「げつめいか」なのか「つきさやか」なのか「つきあきらか」なのか――のほうが、よくわからないし、どう読むかでずいぶん句が変わる気がしています。 兜子が声に出して読んでいる記録とか誰かの証言とかが、どこかにあればよいのですが。個人的には、「つきさやか」を推したいところです。


それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.885/2024-4-7 profile

鳥由貴 ちどり・ゆき
1980年奈良県生まれ。「香雨」同人。2015年毎日俳壇賞。2016年狩座賞(新人賞)。句集に『巣立鳥』(2023年・ふらんす堂)。「香雨」の若手通信句会「萌の会」幹事。
 
■細村星一郎 ほそむら・せいいちろう
2000年生。第16回鬼貫青春俳句大賞。Webサイト「巨大」管理人。

■太田うさぎ おおた・うさぎ
1963年東京生まれ。「豆の木」「街」会員。「なんぢや」同人。現代俳句協会会員。共著に『俳コレ』(2011年、邑書林)。句集に『また明日』(左右社/2020年6月)。
 
■岸田祐子 きしだ・ゆうこ
『ホトトギス』同人。日本伝統俳句協会会員。2009年、第20回日本伝統俳句協会新人賞。タロットカードと西洋占星術で俳句や句集を占っています。俳句と占い(https://819-fortune.amebaownd.com/
 
千野千佳 ちの・ちか
1984年新潟県生まれ。蒼海俳句会所属。第4回円錐新鋭作品賞白桃賞受賞。第2回蒼海賞受賞。

■対中いずみ たいなか・いずみ
1956年生まれ。田中裕明に師事。第20回俳句研究賞受賞。著書に句集『冬菫』『巣箱』『水瓶』(第68回滋賀文学祭文芸出版賞、第7回星野立子賞)、『シリーズ自句自解Ⅱベスト100 対中いずみ』。「静かな場所」代表、「秋草」会員。

■中島憲武 なかじま・のりたけ
1960年生まれ。「炎環」「豆の木」2013年週俳eブックス「日曜のサンデー」2018年 第四回攝津幸彦記念賞・優秀賞受賞。2019年 第0句集「祝日たちのために(港の人)」山岸由佳とのコラボレーションによるwebサイト「とれもろ」
 
■西原天気 さいばら・てんき
1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

福田若之 ふくだ・わかゆき
1991年東京生まれ。「群青」、「オルガン」に参加。第1句集、『自生地』(東京四季出版、2017年)にて第6回与謝蕪村賞新人賞受賞。第2句集、『二つ折りにされた二枚の紙と二つの留め金からなる一冊の蝶』(私家版、2017年)。

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