【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
さかいゆう「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」
天気●本日はかまやつひろし(1939-2017)の名曲「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」を、さかいゆうという人とOvallというバンドで。
天気●かまやつひろしは、いい曲をたくさん書いていて、ザ・スパイダーズ時代は「あの時君は若かった」「ノー・ノー・ボーイ」「バン・バン・バン」など、ソロになってからは、「どうにかなるさ」。で、極めつけは、この「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」(1975)。
憲武●「我が良き友よ」のB面ですね。中学生の時、シングル買ってB面ばかり聴いてました。ソロになってからの曲では、「のんびりいくさ」も好きですね。
天気●タイトルの語りかけスタイルのまま、全体が語っているような歌いぶりで、煙草だけに成人/オトナのリラックス感に溢れています。
憲武●はい。14歳の僕は、なんかこうその大人のリラックス感にシビれてたような気がします。歌い方がクールでしたので、そのへんも。ゴロワーズを吸ってみたくて、蒲田駅ビルの外国煙草専門店へ行ってみました。もちろん買わなかったですが。見ただけです。
天気●この曲、最初のスタジオ録音は、なんと、タワー・オヴ・パワーがバック。この時点で、70年代半ばの日本では驚きの洗練です。
憲武●そうだったんですよね。演奏もクールでしたので、ずっと、誰なんだ? と思ってましたね。
天気●で、今回聴いたのは、2023年あたりのセッション。さかいゆうという人はあまり知らないんですが、いっしょにやってるOvallというバンドは、このところ大のお気に入りで、YouTubeで流しっぱなしにしたりしています。リズムというか、グルーヴが気持ちのいいバンド。音の隙間がだいじにされている感がある点も好みです。
憲武●確かに気持ちよさがあります。ラジオで聴いた時は日本のバンドとは思えませんでした。
天気●ところで、ゴロワーズやジタンなど、フランスの煙草は、輸入代理店がなくなって、現在、日本では買えないようです。日本の煙草の値上げで、外国煙草(洋モク)が相対的に安くなったのに、残念なことです。
(最終回まで、あと624夜)
0 comments:
コメントを投稿