2025-04-13

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】マヤ・デライラ「Tangerine Dream」

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
マヤ・デライラ「Tangerine Dream」


天気●ギターのひとりプレイを聴きます。

 

天気●テーブル、しかも食卓っぽい、その上で胡座という、親に見つかったら叱られそうな所業です。

憲武●テーブルタイムっていいネーミングですね。テーブルの上は気持ちいいです。

天気●ルーパーというエフェクターを使うと、このように弾いたフレーズが勝手に繰り返されて、そこに音を重ねてプレイできる。靴下の足でペダルをオン・オフしてます。冒頭の顔を掻くところとか、この足のしぐさとか、全篇、リラックスしまくりで、いわゆるほっこりです。

憲武●リラックスは大事ですね。あの顔の掻き方は僕には出来ません。体が固いんです。

天気●マヤ・デライラはロンドン出身のシンガー/ギタリスト。ギターはこの演奏のように、張りのあるクリーントーンが特徴。右手は指(爪)で弾きます。

憲武●爪ですか。この人、ブルーノートからアルバムも出してますね。ノラ・ジョーンズを思い出しました。

天気●ジャズの名門レーベルと契約、という点、この手の人にしてはちょっとめずらしい。めずらしいと言えば、使っているギター。メイトン(Maton)というアコースティックギターの有力メーカーの、あまり見ないエレキギター。とても良い音が出てます。ちなみに、この演奏はいわゆるセルフ・カヴァーで、元はヴォーカル入りです。そちらも聴いておきましょう

憲武●いいですね。好きです。しかも割と短い曲、3分以内とかが多くてそこも気に入ってます。

天気●ロックは、スタジアム・ライヴのような大規模な見せ方・聴かせ方の一方で、前に聴いたタイニー・デスク・コンサートのような小ぢんまりとした空間の魅力へも広がっていっていて、自宅でのひとり遊び的な音楽も、その極地。いろんな愉しみ方があるんだな、と、改めて。

(最終回まで、あと616夜)

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