2025-05-25

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】ポール・サイモン「Diamonds On The Soles Of Her Shoes」

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
ポール・サイモン「Diamonds On The Soles Of Her Shoes」


天気●もうすぐ梅雨入りですね。その前に野外っぽい音楽を。ポール・サイモン「Diamonds On The Soles Of Her Shoes」をライブで。

 

天気●南アフリカ共和国のミュージシャンたちと作ったアルバム『グレイスランド』(1986年)のA面ラストの曲。このアルバムの翌年のコンサートです。

憲武●この頃の南アフリカというと、アパルトヘイトの問題がありましたね。それに関係した楽曲も多かったと記憶してます。

天気●1980年代は反アパルトヘイト運動が激化した時代。調べてみると、ネルソン・マンデラの釈放は、やっと1990年になってからです。この演奏は、ジンバブエゴでのライブ。南アではない、そのへんの事情は調べがついていませんが。

憲武●会場は南アフリカではないんですが、南アフリカのミュージシャンを起用したということで西側諸国から批判があったようです。西側諸国の文化的ボイコットを妨害するものとしてですね。それも当時、話題になってたと思います。

天気●ゴスペル風味もくわわったコーラスから、ギターその他の軽やかなリズムが加わり、ホーンセクションが盛り上げる。いろんな局面で愉しませてくれるゴージャスな1曲です。

憲武●はい、華やかでいいですね。さすがです。のアルバムは「ワン・トリック・ポニー」(1980)あたりまでしか聴いてませんので、この「グレイスランド」も当時けっこう話題となっていて、聴いてみたいと思いました。

天気●ぜひぜひ。で、この曲、ベースのラインや音色、タッチがユニークで、この演奏のハイライトになっています。フレットレスベースを弾いているのはバキティ・クマロという南ア出身のベーシストです。

憲武●ああ、そうなんですか。

天気●それはそうと、3分40秒であたりで、ポール・サイモンの後ろに置いてある野球帽が見えるんですが、これ、阪神タイガース? いやそんなはずはないが、どう見ても、そうみたいで、曲とも音楽とも関係のないところで、「なんで? なんで?」がぐるぐる回る結果になってしまったんです。

憲武●この当時のポール・サイモンは、よく阪神タイガースの帽子をなぜか被っていたんですね。音楽雑誌の写真などでよく見ていて。

天気●そうなんですか。

憲武●21年ぶりの優勝(1985)となにか関係あるのかな? と思ってましたが違うようでした。

天気●まだ明るいんですが、光の感じからすると、もうすぐ日暮れ。昼の暑さや明るさがじわっとフェイドアウトしていく。夏のこの時間帯って、いいんですよね。 

(最終回まで、あと610夜)

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