2025-09-21

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】ダーティー・ダズン・ブラス・バンド

【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
ダーティー・ダズン・ブラス・バンド


天気●ちょっと前にね、俳句の知り合いの近藤十四郎さんのライブに行ったんです。下北沢。するとね、いつもはいるベースが、都合つかなかったんでしょうね、いなくて。でも、始まってみると、違和感がない。バリトンサックスがベースラインを吹いていて、ああ、これでいいんだなと。そこで、思い出したのが、ダーティー・ダズン・ブラス・バンドというニューオリンズのバンド。

 

天気●このコーナーでもたびたび、ベースを聴きましょうという取り上げ方で、欧米ポップ・ミュージックに欠かせないベースの話をよくしてるんですが、管楽器がそこを担当するパターンももちろんある。このバンドは、スーザホンというバカでかいホルンみたいな楽器がベースラインを吹く。

憲武●見るからに扱いの難しそうな楽器です。重そうだし吹きにくそう。

天気●これ、ポップスと言いましたが、クラシック音楽でも同じで、ピアノなら左手、オーケストラならコントラバス。交響曲も、コントラバスに耳の焦点を合わせると、また違う感じに愉しめるかもですね。

憲武●そういう聴き方もあるんですね。確かにまた違った愉しみがあるかもしれないです。

天気●このバンド、調べてみると、1977年結成。じゅうぶん古いけど、もっと昔からあったような気がしてました。ニューオリンズのブラスバンドは、葬礼の練り歩きが有名で、このバンドのそれも動画にありました

憲武●ああ、これがあの「聖者の行進」で有名な野辺送りですね。

天気●出ている音のリズムと、メンバーそれぞれの歩くテンポを見ていると、奥が深くて、いつまでもなんべんでも観てられる。体の中のリズムは、脚とかの動きと別に、しっかり存在してるみたいですね。

憲武●楽器によって、その歩くテンポが異なってます。打楽器系はわりと小股でちょこちょこって感じで、ブラスはゆったりとという感じですね。

天気●あ、ベースの話でした。世の中のどこかに、ほかにベース成分がないか、これからも注目しながら暮らしていこうと思います。 

(最終回まで、あと594夜)

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