週刊俳句2025年アンソロジー
12名12句喉奥に未遂の咳や終電車 西生ゆかり 第926号
さざなみにプールの壁が剥がれて浮く 知念ひなた 第926号
濡れた手で就業規則さわっちゃった 暮田真名 第927号
足跡とサーフィン摺つてゆく跡と 松田晴貴 第936号
しかしぼろいな梅雨にはびこる言葉の塵 おおにしなお 第939号
合図なくたおれて鹿は孕んでいた 超文学宣言 第940号
掛軸を退かせば穴や蚊遣香 竹岡佐緒理 第942号
日永とは鯉一つゐる町の川 上田信治 第944号
尨犬の浮腫みて無口雪を欺く ミテイナリコ 第945号
さざなみの昼の胡瓜のスープかな 彌榮浩樹 第947号
ゆふがほや睫毛濡れたる死者生者 押見げばげば 第953号
そこかしこ風の衣擦れ牡丹園 細川洋子 第954号
(福田若之・謹撰)
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