【中嶋憲武×西原天気の音楽千夜一夜】
トム・ジョーンズ「キープ・オン・ランニング」
天気●大好きなエドガー・ライト監督の新作が封切ってたので、観てきました。『ランニング・マン』。そこで、エンディングほか、何回か流れたのがこの曲、トム・ジョーンズ「キープ・オン・ランニング」です。
天気●書いたのはジャマイカのシンガー・ソングライターのJackie Edwardsで、オリジナル録音は1965年。有名になったのは、直後に、スペンサー・デイヴィズ・グループ、スティーヴ・ウィンウッド(この曲を唄ってます)がいたバンドですね、そこがやってヒットした。トム・ジョーンズのカヴァーは1967年。3つ、ずいぶんと違います。特にオリジナルはおとなしくて、シブい。スペンサー・デイヴィズ・グループのは、いかにも60年代の英国ロックって感じ。
憲武●トム・ジョーンズは随分と聴いたと思ってましたが、このカヴァーは知りませんでした。
天気●トム・ジョーンズといえば胸毛。この人、つねに脂ぎっていて、いわゆる男性セックスシンボル的なアピールだったように思います。
憲武●70年代はトム・ジョーンズ全盛期でした。何かのライブ、というよりショーと呼ばれてましたかね、当時は。で、最前列に座っていた女性客が履いていたパンティを脱いで、ステージ上のトム・ジョーンズに投げたところ、トム・ジョーンズがそのパンティで汗を拭って女性客に投げ返したというエピソードを、小学生の頃母から聞いて、「トム・ジョーンズ、すげえ」と思った記憶があります。
天気●歌唱も脂ぎっていて、パワフル。なんか、こう、存在感って言うんですか。トム・ジョーンズが唄うだけで盛り上がる。空気を一変させる威力があります。好き嫌いは別にしてね。実際、私はレコードもCDも持ってませんが。
憲武●やはり小学生の頃ですが、テレビで「トム・ジョーンズショー」という30分番組があって、毎週観てたわけですが、なんかこう、歌いながらのダンスがね、卑猥だなと思って、まあそこがカッコよかったのですが。
天気●で、曲に戻ると、走り続けろ、隠れ続けろ♪ というのが、気分を高めます。止まったらおしまい、みたいな感じは、老人が聴いてもワクワクする。
憲武●はい、細野晴臣言うところの「頭クラクラ、みぞおちワクワク、下半身モヤモヤ」という音楽の効果三拍子が揃ってますね。
天気●サビの「Everyone is talkin' about me. Makes me feel so bad♪」「Everyone is laughing at me. Makes me feel so sad♪」のあたりも含め、映画にピッタリで、タイトルでベタにつながるとはいえ、エドガー・ライトの音楽センス、やっぱりいいな、と思ったですよ。
(最終回まで、あと576夜)
0 comments:
コメントを投稿