〔週刊俳句賞回顧〕
大穗汽水さんへの「10の質問」
Q1 2008年に第2回週刊俳句賞を受賞されました。当時の思い出や印象に残っていることを教えてください。
このたびは週刊俳句1000号おめでとうございます。大穗汽水です。ひさびさの週刊俳句で緊張しています。
週刊俳句賞は今まで2回しか開催されていないので、わたし大穗が最後の受賞者もとい、週刊俳句賞を終わらせた男でございます。
受賞句を久々に見返しました。20年近く前のことなのであまり思い出せることは少ないのですが、玉川上水でぶらぶら散歩したときに見上げた空に浮かんでいた昼の月が受賞作のタイトルの由来です。これについてはけっこう気に入っています。
当時週刊俳句の記念パーティーで授賞式を開いていただきました。西原天気さんがキンクスのCDを、宮本佳世乃さんがTHE YELLOW MONKEYのCDを、それぞれ賞品としてくださったのを覚えています。
The Kinks - Waterloo Sunset
Q2 週刊俳句賞を受賞して、その後の俳句活動に何か影響がありましたら、教えてください。
参加者をあらためてみると、ほんとに豪華なメンバーですね。このなかから選ばれたのはとても光栄でした。
受賞したことで劇的な変化があったわけではないですが、実生活の忙しさからしばらく俳句を離れていました。
受賞後の俳句から距離を置いた生活の中で、自分は俳句賞をとって有名になりたいのか、俳句が上手くなりたいのか、俳句を読みたいのか、俳句を通して人と交流したいのか、自分にとっての俳句は何だろう?と色々と考えた空白期間が、今でも暁光堂の一つの軸になっていると思います。
Q3 第2回週刊俳句賞は大学生大会として開催されました。当時の参加者で今も交流がある方はいますか。
参加者の中では、生駒大祐さんと一番会っている気がします。
最近は暁光堂が文学フリマに出店しているのでそこでお会いしますね。
他にも当時の参加者とよく会います。
文学フリマ東京43(次回の宣伝、暁光堂出店予定!来てね!)
当時も今も面識があるのは半数ほどでしょうか。同世代で他にも俳句が好きな人がいるんだと再認識できたのはうれしかったですね。
Q4 今は俳句の出版社「暁光堂」の店主でいらっしゃいますね。「暁光堂」の特徴・アピールポイントを教えてください。
はい、2019年から俳句のひとり出版社の暁光堂(ぎょうこうどう)をはじめました。もともと自分が読みたかった久保田万太郎が本屋に売っていなかったので自分で作ろうとおもったのがきっかけです。
俳句の本は自費出版が多かったり発行部数が少なかったりで絶版になりやすく、高い中古の本を買うしかない状況が現在でも続いていると思います。だったら自分で作ってしまおう、と思って始めました。
オンデマンド印刷・電子書籍を使って、阿部青鞋や波多野爽波など入手困難だった俳人の句集を手に取りやすい価格で復刊しています。
阿部青鞋や波多野爽波はほんとにおもしろいので是非読んでください。
阿部青鞋
波多野爽波
Q5 「暁光堂」の運営において、だいじにしていること・たいせつに思っていることを教えてください。
まずは私自身が読んで面白いものが作れているか、活動を心の底から楽しめているかどうかを一番大事にしています。
その結果を皆さんが楽しんでくれれば最高に嬉しいです。
Q6 「暁光堂」の運営において、苦労することを教えてください(ひとつでも複数でもかまいません)。
やりたいことをやっているだけなので苦労はないです!
そもそもが本業を抱えながらの出版活動なので、最初から経済的・物理的に無理のない業務設計を心がけています。
Q7 10年後、「暁光堂」はどうなっていると思いますか。「こうなっていたい」という野望・願望でもかまいせん。
無理なく継続していることが一番大事ですね。
最初は電子書籍でスタートしましたが、今はオンデマンド印刷もやっています。
ひとつのことにこだわらず、まずは私自身が楽しいことを追求し続けていけたらいいなと思っています。
Q8 ご自分のことに質問が移ります。理想的な休日の過ごし方を教えてください。
よく寝たあと早起きして朝食をとり、天気が良ければ陽を浴びて風通しの良い緑のあるところに出かける。
体を動かして遊ぶ。夕方、早めに風呂に入る。旬の魚と野菜、炊きたてのご飯を食べて9時くらいに寝る。
Q9 好きな自然現象について、教えてください。
【夕立】
天気悪くなりそうな夏の午後にさっさと家に帰ってきて、早風呂に入り、
風呂から上がってTVを見ると甲子園は第四試合の3回裏が始まったあたりで、強豪の私立相手に県立高校のエースが打ち込まれて早々に降板した後、2番手変則サイドスロー投手が3点ビハインドのまま無失点で粘って、これから逆転のチャンスがくるのだろうか?という状況だったりして、遠くのほうから雷の音が近づいてきて、だんだんと空が暗くなり、やがて音を立てて夕立が降ってきて窓をたたき、街を濡らしていって、そのまま夜になる。そういう夕立が最高に好きです。
Q10 最後に、ご自分の最近作を5句教えてください。ベスト・オヴでも、単に直近の5句でも、どちらでもかまいません。
近作5句
時計屋の中の大きな花ミモザ
プールより見上げる東京タワーかな
渋谷まで歩けば少しのあいだ秋
まっすぐに祭りの横を過ぎにけり
冬晴の進水式のような午後
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